大阪府立図書館

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大阪府立図書館 第五期活動評価 重点事業シート(令和5年度)

更新日:2025年5月3日

[PDFファイル/453KB]

(1)すべての府民が図書館サービスを享受できる環境の整備 ~図書館利用に配慮が必要な府民への読書活動支援~

目標:すべての府民が読書活動を通じて文字・活字文化の恵沢を享受できることをめざして、「大阪府視覚障がい者等の読書環境の整備の推進に関する計画(読書バリアフリー計画)」に沿った施策に重点的に取り組みます。

(関連する基本方針:基本方針 1・2・3・5)

具体的内容

自己評価 <令和 5 年度の成果と課題>

1 活字による読書や来館が困難な利用者、日本語を母語としない利用者への多様なサービス提供

(ⅰ)アクセシブルな書籍等の充実に向けて、デイジー図書、テキストデータの作成、および、毎年 40 件以上の国立国会図書館へのデータ提供に引き続き取り組みます。また、アクセシブルな書籍等を周知するための取組等を実施します。

・NDL 視覚障害者等用データ送信サービスへのデータ提供(継続)
 ●指標:毎年 40 件以上

(ⅱ) 日本語を母語としない、読書や図書館の利用に困難を伴う利用者に向けてサービスを行う上で、市町村立図書館が府立図書館に対しどのような支援を必要としているかを把握するため、初年度(令和 5 年度)にアンケート調査を行います。

なお、一層のバリアフリーを進めるため広報等を見直します。

・アンケート項目の精査(R5 上半期)
 アンケート調査実施、結果に基づく事業立案(R5 年度内)
 事業選定、実施準備(R6~)
 事業試行(R6~ 準備が整ったものから順次実施)

1(ⅰ)デイジー図書データを 45 件作成、国立国会図書館へも提供しました。
「見て、聴いて、さわって楽しむ読書の世界」というイベントを開催しました(7/28,7/29)。点字図書制作体験、点字プリンターやデイジー図書再生機器、クイズ形式で学ぶ手話講座など多様な読書体験ができるイベントです。
夏休み中ということもあり、家族で体験してくださる方も多く、のべ 146 人の参加者がありました。また、府域の市立図書館でも 8 月に同名のイベントが行われ、事業の広がりを感じています。 

●実績

  令和5年度 令和6年度 令和7年度
データ提供数  45    

(ⅱ)11 月末にアンケート調査項目を精査、12 月に「日本語を母語としない利用者に向けたサービス」に関するアンケートを実施しました。6 年度からアンケートで要望のあった日本語学習の資料の収集を強化することにしました。
「多文化サービス」の取り組み等について埼玉県立熊谷図書館の現地視察を行い、情報交換をしました。母国に帰国する子どもの存在という気づきを得、海外の教科書も収集することとしました。
ホームページでの「やさしいにほんご」ページの範囲やコンテンツを増やしていくことも検討を始めました。

2 障がいのある子どもへの支援

おはなし会やイベントを実施し、障がいのある子どもたちに資料を届けます。また、支援学校の教員や学校司書に向けて、障がいのある子どものための図書館サービスや読書支援活動の講座等について情報提供等を行います。

○おはなし会やイベント

コロナ対策で中止していた手話によるおはなし会「楽しい手話」を 9 月から再開しました(毎月第二・第四土曜日)。8 月のスペシャル版も含めて 15 回開催しました。
支援学校への出前おはなし会は、中央聴覚支援学校へ 4 回、のべ 101 名、東大阪支援学校中学部へは 3 回、のべ 65 名の参加がありました。東大阪支援学校からは小学部、中学部、高等部から 1 回ずつ計 3 回の来館見学もあり、自由読書とおはなし会を実施しました。
学校とは、年度変わりでの担当者間での連絡が途切れないよう丁寧に対応していきたいと考えています。また、図書館職員のスキルやレベルの維持のための研修を積み重ねていきます。

〇支援学校の教員や学校司書向け情報提供

「見て聴いてさわって楽しむ読書の世界」は、合同研修の日程とも合わせて実施し、教員・学校司書に多様な資料を紹介する機会としています。また、中央図書館を会場とした教育センター主催の研修、支援学校への出前おはなし会の機会を捉え、情報提供を行いました。

3 市町村立図書館向けの研修実施、情報提供

府域図書館職員等を対象とした研修を実施します。また、項番 1、2 の事業内容について、当該の研修時や情報交換会等で報告し、府域図書館全体に関連情報を周知します。

○研修

司書セミナーでは、「図書館と地域包括支援センターによる、認知症にやさしい取り組みについて」を実施しました(2/2)。合同研修では、「ICT 機器と学びの支援」を実施(7/28)し、後日オンデマンド配信も行いました(8/18~9/21)。OLA 障がい者サービス基本研修(5/26)・同実務研修(10/5,10/19 計2回)、障がい者接遇研修(オンライン 7/1~3/31)を実施しました。

〇関連情報の周知

児童サービス担当者連絡会(3/6)、障がい者サービス情報交換会(3/8)にて1(ⅱ)で行ったアンケート結果をもとに意見交換を行いました。会場には府域市町村図書館が作成した外国語や、やさしいにほんごの利用案内を展示し、情報共有ができました。

さらに、府域の図書館での実践事例を共有できるよう、市町村図書館職員ポータルサイトで実践館インタビュー記事などの投稿を始めました。

<R5総括>

1.活字による読書や来館が困難な利用者、日本語を母語としない利用者への多様なサービス提供:
(ⅰ) デイジー図書の作成は、目標を達成しました。「見て、聴いて、さわって楽しむ読書の世界」では、参加者が多様な方法での読書体験を通じて読 書のバリアフリーに関して理解を深めることができるため、引き続き実施し、職員もさらに機器の取扱いに習熟するよう取り組んでいきます。
(ⅱ)府域市町村図書館へ「日本語を母語としない利用者に向けたサービス」についてアンケートを実施し、その結果を踏まえ事業を検討しました。6 年度はその中から選定した事業を実施していきます。

2.障がいのある子どもへの支援:
 支援学校への出前おはなし会は、学年別に複数回を実施しました。手話を使ったおはなし会「楽しい手話」は、初めての参加者の反応もよく、6 年度も継続して実施します。館内での手話研修は、3 段階でのレベル別で実施し、着実に力をつけてきた職員が事業を支えています。引き続き事業継続のための取り組みを進めていきます。

3.市町村立図書館向けの研修実施、情報提供:
 「見て、聴いて、さわって楽しむ読書の世界」は、府域の市立図書館でも同様の内容でイベントが催行されました。府立での取り組みがモデルケースとなり、市立図書館でも活用できた実例です。さらに情報提供、共有を進めていきたいと考えます。

<R6総括>

<R7総括>

(2)府立図書館蔵書の利活用の拡充 ~非来館型利用の促進~

目標:デジタル化した古典籍資料や、国際児童文学館資料等の利活用の推進と、府立図書館資料へアクセスできる機会の拡充に取り組みます。

(関連する基本方針:基本方針 1・2・3・4)

具体的内容

自己評価 <令和 5 年度の成果と課題>

1 デジタルコンテンツの拡充

古典籍資料のデジタル化画像の追加や、行政資料等のデジタル資料の収集
を継続するとともに、国際児童文学館所蔵雑誌の目次データの追加により、所蔵情報の充実を図ります。

●指標

・古典籍資料のデジタル化
 毎年 4,000 画像
・行政資料等のデジタル資料の収集
 毎年 100 件
・国際児童文学館所蔵雑誌の目次データ追加件数
 毎年 100 件(1 件=1 号分)

・古典籍資料は、国文学研究資料館(以下「国文研」という)の「歴史的典籍 NW事業」に協力しており、撮影数は 16,577 画像(資料数 117 点)となりました。今後も国文研が実施する後継プロジェクトに協力していきます。

・図書館での継続事業の撮影では新たに収集した資料等 5,506 画像を作成しました。

・「おおさか e コレクション(以下「e コレ」という)」には、文庫(朝日・大和銀・中西・川田)の貴重書の画像 4,129 画像を公開しました。

・行政資料等のデジタル資料は、これまで通り継続的に発行されているタイトルを中心に 95 件収集しました。

・国際児童文学館所蔵の『幼女の友』(幼女の友社 1917.8)等 1910 年から 1930年代の雑誌の目次データを作成しました。引き続き『幼女の友』ほか、他館に所蔵が少なく、検索するツールも乏しい明治~昭和戦前期の所蔵雑誌の目次データを作成し、国際児童文学館資料の活用を促進します。

●実績

  令和5年度 令和6年度 令和7年度
古典籍資料のデジタル化 22,083    
デジタル資料の収集(件) 95    
目次データ追加件数(件) 100    

2 デジタルコンテンツの認知度の向上

当館のデジタルコンテンツについて、他機関データベースとの連携や、SNS・ホームページでの情報発信による認知度の向上に努めます。

・国文学研究資料館「国書データベース」へのデータ提供

・「国書データベース」へは、「e コレ」にて公開している資料のうち貴重書・石崎文庫・森田文庫・浄瑠璃本を計 18,097 点提供しました。5 年度に国文研が撮影した資料は 117 点となり、令和6 年度中に公開予定です。

・中之島図書館ホームページに「デジタル展示」ページを新設し、鯰絵と織田作之助草稿を紹介しました。そのほか、特別展や小展示の資料一覧から「e コレ」へのリンク、メールマガジン「よりぬき資料紹介」でも継続してデジタル化した資料を紹介し、都度 X で発信しました。

・中央図書館では、オープンアクセスであるディドロ・ダランベール監修のフランス百科全書やデータベース、こどもの資料・サービスに関する発行物である「ほんだな」や「はらっぱ」の Web 版、作成した音声デイジー図書の紹介など、ホームページや X で情報発信をおこないました。

3 資料および情報への多様なアクセス手段の確保と利便性の向上

オンラインによる利用者登録の実現等、来館せずに、より幅広い図書館サービスが利用できる環境整備を進めます。

・オンライン利用者登録のシステムおよび運用マニュアルの整備(R5~6)
 オンライン利用者登録開始(R6~7)
 オンライン利用者登録の利用状況把握(R7)

・令和6 年 1 月のシステム更新時に、オンライン利用者登録実現に向けたシステムの実装仕様を策定、システム構築を実施しました。
また、現行の利用者登録の運用の見直しを行い、様式を再整理しました。

・オンライン利用者登録にむけてプロジェクトチームを 6 年度 4 月に結成することとし、令和 7 年 1 月からの運用開始をめざして検討を進めます。

<R5 総括>

1.デジタルコンテンツの拡充:
 国文学研究資料館の「歴史的典籍 NW 事業」に協力し、資料のデジタル化を実施したため目標を大きく上回ることができました。
 6 年度以降も後継プロジェクトに協力できるよう引き続き取り組みを進めます。また、国際児童文学館が所蔵する資料では、他館に所蔵のない明治から昭和初期の雑誌をターゲットに据え、6 年度も続けて資料利用の利便性の向上に尽力していきたいと考えています。
2.デジタルコンテンツの認知度の向上:
 中之島図書館ホームページに「デジタル展示」のページを新設し、織田作之助の誕生月に「草稿」を紹介するなど、効果的な所蔵資料の紹介を試みました。これまでの紹介ツールもあわせ、今後とも継続して活用を図っていきます。
 中央図書館では、オープンアクセス資料の利用促進を図りホームページ上の便利なコンテンツ、さらには商用オンラインデータベース、児童サービスや資料に関する情報などの発信を継続して実施します。
3.資料および情報への多様なアクセス手段の確保と利便性の向上:
 オンライン利用者登録実現に向けたシステムの実装仕様を策定し、システム構築を実現しました。このシステムを活用してのオンライン利用者登録にむけてプロジェクトチームを令和6年4月に結成し、令和7年1月の開始をめざして検討を進めます。

<R6総括>

<R7総括>

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